メルカリをご利用いただいているさまざまなお客さまのストーリーを、インタビューを通してご紹介していきます。
氷川さんのお母さんは、現在79歳。実家は縫製工場で、60年間にわたって縫製職人として働いていました。
引退してからも、ものづくりを続けていたお母さんの服をメルカリで出品してみたところ、いつの間にか大人気に。購入者さんが喜んでくれるのが何より嬉しいというお母さんと、お母さんの代わりに出品を担う氷川さんの二人三脚のメルカリストーリーとは?
出品のきっかけは、母の「もっとつくりたい」という言葉
60年間縫製職人として技を磨いてきた氷川さんのお母さん。職人を引退してからも暇を見つけては、自分の服や座布団などを作っていたそうです。
「やっぱり、ずっとものづくりをしていた人ってつくるのが好きなんだなって。私もいらない着物を持っていって、洋服をつくってもらったのですが、着てみるとすごく自分の体にしっくりくるんです。
やっぱりこれはすごい技術だなと思って。母が「もっと作りたい」って言うので、メルカリに出品することにしたんです。」
売れること以上に喜びの声が届くのがいちばん嬉しい

メルカリで最初に売れたのは、少し派手な柄の着物を使った絹のシャツ。最初は欲しい人がいるのかな?と不安もありましたが、購入者さんから「柄の出方がすごくきれい」と喜んでもらえてとても驚いたそうです。
メルカリで出品してみて、氷川さんとお母さんにとって何より嬉しかったのは、購入者さんの生の声が届くことでした。
「母は、私が電話で売れたことを伝えると、「そんなに喜んでもらえるなんて嬉しい」「もっと縫わなくちゃだね」って言うんです。もう本当に嬉しくて嬉しくて。縫製工場は仕立てた服を納品したらそれでおしまいです。
服を着てくださった方がどう思っているのかもわからないし、縫っているものもデザイナーさんとかが用意したものなので。だけど、今は自分達で全部考えたものを、着てくださった方が褒めてくださる。
直接のフィードバックがあるというのは、母が60年間仕事をしてきて初めてのことなんですね。これまで母が積み上げてきたものを、皆さんに見ていただけるという喜びもあるし、評価していただけるというのも励みになっています。母にとって、新しいかたちの生きがいみたいなものになっているな、というのをすごく感じますね。」
メルカリは職人さんの「錆びない技」が生かせる場所
氷川さんのお母さんは今年80歳。メルカリを始める前は、歩くのも大変な様子でしたが、今は自分で材料を注文しに出かけるなど、以前よりずっと生き生きとしているのだそう。
「母の縫製技術のように、日本の職人さんって長い時間をかけて築き上げてきたものを持っていると思うんですね。その技は絶対になくならないし、意外と錆びつかないんですよね。なので、もし新たな生きがいを探している方がいらっしゃったら、メルカリさんの場所を借りて、また何かをつくりだして世の中に見てもらえるのは、すごく楽しいし、張り合いにもなるので、ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。」
メルカリはフリマアプリですが、単に売り買いするだけじゃなく、画面の奥にいる出品者や商品とのストーリーを共有できるのも楽しみの1つですね。

氷川好美さん
神奈川県在住、主婦