メルカリShopsに出店しているショップさんに、こだわりや想いを伺っていく #ショップインタビュー 。Vol.13は、「岩手県山田町役場」さんです!今回は、山田町政策企画課 鈴木翔汰さんにお話をうかがいました。
東日本大震災から10年。山田町が見据える、次のステージ
ーはじめに、岩手県山田町について教えてください。
山田町は陸中海岸のほぼ中央に位置し、山田湾と船越湾の二つの湾を擁しています。山田町と言うと、ウニやカニ、ホタテをイメージする方が多いと思いますが、実は椎茸や松茸など山の幸も豊富です。
東日本大震災から復興を最優先に取り組んできました。今年で、11年が経過し、復興事業もほとんど完了しました。復興の次のステージを目指さなければならないと思っています。
ー次のステージとは、具体的にどういったものを指しているのですか?
メルカリさんのような民間事業者との連携は新たなステージだと考えています。今まで復興事業を中心に行ってきたので、被災していない自治体から比べると5年くらい遅れているなという印象があって。なので、民間事業者との連携など将来を見据えた持続可能なまちづくりをし、SNSで「山田町」をPRしていくということが、大事なのかなと思っています。
ーメルカリShopsに出店した経緯を教えてください。
私は入庁10年目なのですが、最初の5年間は上下水道課で水道の会計業務や現場作業をしておりました。その後、財政課に異動し、町の予算編成などを担当し、2021年10月に今の政策企画課に異動しました。
メルカリさんと一緒に取り組み始めたのは、財政課にいた時です。きっかけは2021年3月11日より開始した、メルカリ寄付です。
メルカリ寄付は、メルカリの利用者が出品した商品の売上金等をメルペイにチャージし、その残高を希望する自治体に寄附できる機能で、この機能を活用して、山田町に寄附をいただくというものです。
その後、2021年9月7日には連携協定を締結しました。これは山田町・メルカリ・ソウゾウが相互に緊密な連携を図り、双方の資源を有効に活用した活動を通じて、一層の地域活性化および町民サービス向上を図ることを目的としたものです。その一環として、メルカリShopsを活用した閉校学校の備品を出品することになりました。
📔:全国初!自治体が閉校した学校の備品をメルカリShopsに出品!山田町 – merpoli(メルポリ)|メルカリグループの政策企画ブログ
ー自治体がメルカリShopsを開設するのは全国初の取り組みでしたが、ハードルはありましたか?
やはり前例がない取り組みということで、手探りで物事を進めたり、庁内の合意形成をしたりするのが大変でした。
ー合意形成する中で、懸念点として挙がった点はなんですか?
特に挙がったのは「数あるプラットフォームのうち、なぜメルカリShopsなのか?」でした。
ーそういった意見に対して、どのように対応したのでしょうか。
過去に何度か入札方式で行ったことがあるのですが、参加者が少なく、金額も安価で取引されておりました。
一方でメルカリShopsは、月間アクティブユーザーが2,000万人を超えているメルカリの中に出店でき、全国の方に認知してもらえ、山田町のPR効果もあることをふまえて進めました。
学校備品には、全国各地にニーズがあると確信
ー実際にメルカリShopsをオープンされた後の周囲の反応はどうでしたか?
SDGsへの取り組みが自治体でも始まっている中、「閉校した学校備品を次の方に譲ることでモノを循環させていく先進的な取り組み」として新聞やwebニュースでも取り上げられたので、反響はすごく大きかったです。
購入される方もほとんどが町外の方で、全国各地の方に山田町を知っていただけたのだなと感じました。
庁内からは、「廃棄すれば経費となったものが、販売することで町の財源として活用できる形になってよかった」という声がありました。
購入いただいた方からは「山田町のために買いました」、「メルカリShopsで初めて山田町を知りました。いつか実際に行ってみたいです」といったコメントをいただきました。
ーどういう目的で買われる人が多いですか?
出品前は学校の備品を揃えたカフェを運営されている方など、ニッチな層に需要があるのではと想定していたのですが、実際は幅広い層の方にご購入いただいています。
レビュー欄で知ったのですが、マーチングドラムは、クリスマス会や保育園で使われているようでした。最初はどういった方が手に取ってくださるのか不透明だったのですが、段々とこういう層にニーズがあるんだという気づきがありました。
「販売者=自治体」とひと目でわかる工夫
ー商品ページでは、どういった点を工夫していますか?
商品説明文については、破損や汚れは必ず詳細に記載しています。実物と齟齬がないよう、正直に書くことを意識しています。
写真は山田町のロゴを入れるようにしています。初期の頃は入れていなかったのですが、ロゴがある方がひと目で自治体が出品しているものだと分かるかなと思ったんです。
ー確かに公式感があり、安心につながると思いました。値段設定はどのようにしているのですか?
市場価格を調べて、取得価格や送料、手数料なども含めて適正価格となるよう設定させていただいています。
ー発信方法で意識されている点があれば教えていただきたいです。
町の公式Twitterと、政策企画課のTwitterで発信するようにしています。
初めは「出品します」というインフォメーションを投稿していたのですが、最近はサムネイルで何が出品されたのかわかるような工夫をしています。
ー今後取り扱う予定の商品はありますか?
小学校・中学校合わせて7校廃校になっているので、引き続きその分の備品を出品していきたいです。その後は、令和5年に道の駅が完成予定なので、PRにつながる商品を出せたらなと思っています。
ー竣工中の道の駅について、詳しく教えてください。
青森・岩手・宮城など東北の沿岸部を繋ぐ三陸沿岸道路は一部の区間を除き、通行料が無料で利用できるものの、サービスエリアやパーキングがなく、トイレなどにお困りの方が多くいます。そのことを踏まえ、ここを「町の観光ゲートウェイ」と位置づけ交流人口の入り口として、地域経済の活性化を図りたいと考えております。
魅力的な道の駅となるように進めているので、ぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです。
メルカリShopsだったから、スピード感を持って推進できた
ーメルカリShopsを今後どのように活用していきたいですか?
実現したら面白いなと思っているのは、メタバースの活用です。例えば仮想空間上にメルカリShopsのショップを作り、町内の事業者さんに出店してもらい、そこで購入してくれた方に道の駅で使える割引券を配る。それがきっかけで、実際に山田町に来てもらう。いつかそんな仕組みができたらいいなと想像しています。
ー最後に、メルカリShopsへの出店を検討されている自治体の方に一言お願いします。
やはりスピードは大事だなと感じました。縦割り構造の中でスピード感がないと、こういった新規事業は置いていかれる部分があるので、トライアンドエラーのサイクルを高速で回すことが必要でした。
メルカリ・ソウゾウさんには元官公庁職員など公務員経験者の方も多くいらっしゃるので、自治体目線、実務の目線でお話しいただけたというのもスピード感を持って推進していく上で心強かったです。
不用品を循環させていく取り組みが、他の自治体さんにも広まっていけばいいなと思っています。
ー岩手県山田町役場さん、ありがとうございました!

(取材・文/篠原舞)

