メルカリShopsで東京農業大学 収穫祭の商品を届けたい。コロナ禍における学生たちの挑戦 「農大サポート セレクトマルシェ」さん- ショップインタビュー

メルカリShopsに出店しているショップさんに、こだわりや想いを伺っていく ショップインタビュー 。Vol.8は、「農大サポート セレクトマルシェ」さんです!今回は、株式会社農大サポートの小畑幹夫さんと、運営に携わる学生のみなさんにお話をうかがいいました。

創立130周年。“伝統の収穫祭”の新たな形

ー「農大サポート セレクトマルシェ」を運営する株式会社農大サポートというのは、どういった会社なのですか?

小畑幹夫さん(株式会社農大サポート 専務取締役):株式会社農大サポートは2018年に学校法人東京農業大学(以下、農大)が100%出資してできた会社です。農大ゆかりの農産物・加工品・酒類を販売する世田谷代田東京農大アンテナショップ「農」の蔵の経営、オープンカレッジ・グリーンアカデミーの運営などを行っています。

ーメルカリShopsに出店を決めた理由を教えてください。

小畑さん:農大では毎年収穫祭を開催しているのですが、コロナの影響で2020年は中止、2021年はオンラインでの開催となりました。ですので、今の2年生は一度も対面での収穫祭を経験していないんですよね。

今までは収穫祭の運営面だけでなく、カルチャーも代々先輩が後輩に受け継いでいっていたのですが、それができなくなってしまった。これは大きな損失です。

正直、来年従来の規模で入場者を迎えての収穫祭ができるかわかりません。であれば、新たなチャネルとしてオンラインによる収穫祭のスキームを構築し、次の世代に伝えていく必要があります。そこで、オンライン販売のノウハウを貯めるべく、メルカリShopsへの出店を決めました。

ー収穫祭とはどのようなものですか?

笠田敏仁さん(食料環境経済学科3年生):収穫祭とは、毎年11月初旬に3日間にわたって開催される農大の学園祭です。学生の手で作り上げることをモットーとしていて、企画の発案から運営、出演まで学生主導で行っています。研究室や部活・サークルにおける日々の活動の成果を発表したり、学科の垣根を越えて一つのものを作り上げたりする場となっているだけではなく、近くの商店街など地域との交流の場にもなっています。

本来であれば来場者が8万人を超える活気のあるイベントなので対面型で実施できなかったのは残念ではありますが、オンライン開催をしたことがきっかけで、メルカリShopsさんへ出店するなど新しい試みができたのはよかったなと思っています。

ー収穫祭ではどういった商品が販売されているのですか?

笠田さん:さまざまな商品がありますが、二大柱は味噌と蜂蜜です。味噌は2,000個以上仕入れて、完売するほど人気で、今回メルカリShopsにも出品しようと考えています。

老舗の蔵で醸造した、農大生の手づくり味噌

ー味噌はどういった特徴がありますか?

中山俊一先生(応用生物科学部醸造科学科准教授)
:味噌は醸造科学科(※)の現役学生が茨城県のヤマイチ味噌さんにお邪魔して仕込んでいます。

※醸造科学科とは、醸造の伝統的な技術から最先端のバイオテクノロジーまで幅広く学べる学科で、食や発酵に強い関心を持った学生が全国各地から集まっています。

ヤマイチ味噌さんは茨城県牛久市にある1962年創業のメーカーで、昔ながらの木樽で仕込んでいるのが特徴です。米は茨城県産「コシヒカリ米」、大豆は県産の「里のほほえみ」、赤穂の天塩を原料として使用しています。

森本里菜さん(醸造科学科2年生):塩分濃度控えめで無添加なので、体に優しいのがポイントです。個人的には味噌そのものの味が楽しめる焼きおにぎりにして食べるのがおすすめです。味噌はなかなか使い切るのが大変なので、今後はレシピの提案もしていけたらと考えています。

農家の想いを届けたい。コロナ禍で誕生したお茶ショップ

ーメルカリShopsには、味噌以外にどういった商品を出す予定ですか?

杉光舞さん(農芸化学科3年生):お茶を販売しようと考えています。元々は留学生に日本のお茶を知ってもらう活動の一環として静岡県伊久美地域の農家さんの元で生産に携わり、農業について学んできました。

伊久美は静岡県に所在する島田市の地名です。古くから茶産業が盛んで、静岡の手揉み製法の発祥の地と言われています。

伊久美では地域イベントに参加し、地元の方々との交流も深めてきました。さらに学生自身でお茶栽培も始めようと試みていましたが、コロナ禍により現場に行くことができなくなってしまって。

けれど、このような状況下だからこそ農家さんと新しい形で連携したいと思い、2020年1月にお茶ショップ「TeaHanaemi」を立ち上げました。

TeaHanaemiでは、「伊久美の和紅茶」、「いくみんち茶」、そして「ぶれんドちゃ」の3種類を販売しています。

ーそれぞれどういった特徴がありますか?

杉光さん:伊久美の和紅茶は、お茶っ葉本来の甘味があり、また渋さが少なく、”和”を感じられる優しい味が特徴です。

いくみんち茶は、一番茶のみ使用の緑茶です。一番茶とは、お茶の収穫時期の最初の段階で収穫されるお茶のことです。一番茶はそれ以降の時期に収穫されるお茶に比べると風味が強く出ます。風味は強いものの、すっきりとした味わいを楽しむことができます。

ぶれんドちゃは、緑茶の苦さ、紅茶の渋さが苦手な方にもお茶を楽しんでいただきたいと思って、農大生が味を開発して実現した商品です。

ブレンドしようと思ったきっかけは、某コーヒーチェーン店では焙煎後の豆を違う地域のものと相性が良くなる割合で混ぜて提供している、という話を聞いたからです。

お茶も同じように焙煎後にブレンドしたら、美味しくなるんじゃないか?という仮定のもと、混ぜてみたんです。すると、スッキリしていてクセがなく、ほんのりとした甘みを感じられる味わいが生まれるんです。

ーどれもすごく美味しそうですね。

杉光さん:他にもこだわっている点があって、環境に配慮してティーバッグには通常のマイクロプラスチックではなく、とうもろこし繊維を使用しています。

マイクロプラスチックとは、5mm以下と微量なプラスチックのことです。これらは海に大量に放出され、回収困難な海洋ゴミとなっていることと、人体への影響があることの2点が問題視されています。

そこで、とうもろこし繊維を用いたティーバッグを使用することによって、土に埋めた際に微生物による分解・処理が可能になり、マイクロプラスチックに比べて人体や環境への影響を大きく抑えることができます。

大成功は狙わない。メルカリShopsは売り方の実験場

ー今後メルカリShopsに期待することを教えてください。

笠田さん:収穫祭に足を運んだことがなかったり、そもそも収穫祭自体を知らない方たちに私たちの取り組みや商品を知ってもらえたらなと思っています。

小畑:私は学生たちに「どうやったらメルカリShopsで売れるのか」を実践してもらいたいなと考えています。だからこそ、大成功はしてほしくないんです。成功よりも失敗の中に大事な要因が詰まっているので、ちょっとずつ失敗を繰り返しながらチャレンジして欲しいなと思っています。

杉光さん:ラインナップとして今考えているのは、お米と味噌とお茶のセット販売です。その組み合わせは農大生らしいのではないかな思っています。できるだけ早くお客さまにお届けして、感想を聞き、次に活かしていきたいです。

ー農大サポート セレクトマルシェさん、ありがとうございました!

(取材・文 / 篠原舞