メルカリで「商品を間違えて購入してしまった」「発送しようとしたら在庫がなかった…」など、購入後や販売後に取引のキャンセルが必要になり、対応に困った経験はありませんか。メルカリの取引キャンセルは、出品者と購入者、どちらの立場で、どのタイミングで申し出るかによって手順や注意点が大きく異なります。
この記事では、購入後のキャンセルについて、出品者・購入者それぞれの具体的な手順、理由別の例文、気になるペナルティの有無、返金の流れまで、網羅的に解説します。
この記事を読めば、万が一の時も落ち着いて対処できるようになります。
メルカリのキャンセル基本ルール|ペナルティや評価への影響は?

メルカリにおける「キャンセル」とは、成立した取引を双方の合意のうえで白紙に戻すことを指します。重要なのは、原則として、取引開始後の一方的なキャンセルはできず、双方の合意が必要という点です。
安易なキャンセルはトラブルの原因となるため、まずは基本ルールをしっかり理解しておきましょう。
キャンセルによるペナルティについて
多くの方が「キャンセルをするとペナルティがあるのでは?」と不安に感じますが、基本的には、やむを得ない理由での一度のキャンセルで、即座に厳しい利用制限がかかることはありません。
ただし、メルカリでは以下のような自己都合によるキャンセルは「迷惑行為」と定められており、繰り返し行うと警告や利用制限の対象となる可能性があります。
<出品者の場合>
- 商品の紛失や売り切れ
- 発送前に商品の不備を発見した
- 出品価格を間違えた
<購入者の場合>
- 間違えて購入した(誤操作)
- 支払いが困難になった
- 商品説明の見落とし
- 届いた商品が主観的にイメージと違った
悪質な行為や迷惑行為を繰り返さない限り、過度に心配する必要はありませんが、責任ある取引を心がけましょう。
キャンセル後の評価について
取引のキャンセルが成立すると、その取引自体がシステム上ですべて取り消されます。
そのため、お互いに相手を評価することはできませんし、されることもありません。キャンセルによって、相手から「悪い」の評価をつけられてしまう心配はないので、ご安心ください。
【出品者向け】購入後のキャンセル手順と理由別の対処法

商品が購入された後に出品者側の都合でキャンセルすることは、原則として迷惑行為に該当し、避けるべきです。しかし、どうしてもやむを得ない事情が発生する場合もあります。その際は、購入者に対して誠意ある対応をすることが非常に重要です。
ここでは、出品者都合でキャンセルする場合の基本的な流れと、理由別の詳しい対処法を解説します。
キャンセルの基本的な流れと手順
どのような理由であれ、出品者からキャンセルを切り出す際の基本的な流れは同じです。
1. まずは購入者に連絡し、キャンセルの合意を得る
何よりも先に、取引メッセージで購入者にキャンセルの理由を丁寧に説明し、謝罪した上で、取引をキャンセルすることへの同意を得ることが大切です。購入者に何も伝えずに一方的にキャンセル申請をすると、トラブルに発展しやすくなります。
誠意をもって正直に事情を説明し、相手の理解を得られるよう努めましょう。
2. 取引画面からキャンセル申請を行う
購入者からの同意が得られたら、以下の手順でキャンセル申請を行います。
- 取引画面の最下部に表示されている「この取引をキャンセルする」をタップします。
- キャンセル理由を選択し、「理由の詳細」を入力します。
- 表示される注意点を確認し、同意します。
- 購入者側で「同意する」をタップすると、キャンセルが成立します。
【注意点】
購入者が「同意しない」を選択した場合はキャンセル不成立となります。再度話し合いが必要ですが、万が一解決しない場合は事務局へ問い合わせましょう。また、購入者から24時間返答がない場合、原則として自動で取引はキャンセルされます。ただし、状況によっては事務局の判断を待つケースもあります。
【理由別】キャンセルせざるを得ない場合の伝え方と注意点
ここからは、具体的な理由ごとに、購入者への伝え方の例文と注意点を解説します。
理由1:在庫切れ・商品を紛失してしまった
「他サイトでも出品していて、ほぼ同時に売れてしまった」「商品を保管している間に見当たらなくなってしまった」というケースです。
【例文】
○○様
この度は商品をご購入いただき、誠にありがとうございます。
大変申し訳ございませんが、こちらの不手際で商品の在庫が確保できなくなってしまいました。(商品を紛失してしまいました。)
誠に勝手なお願いで恐縮ですが、本取引をキャンセルさせていただきたく、ご連絡いたしました。
この度はご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。何卒ご容赦いただけますと幸いです。
【ペナルティに関する注意】
メルカリでは、「商品状態、紛失、売り切れを理由にキャンセルすること」は迷惑行為と定められています。 繰り返すと利用制限の対象となる可能性がありますので、在庫管理には十分にご注意ください。
理由2:発送前に商品の不備・破損を発見した
「梱包しようとしたら、出品時には気づかなかった傷や汚れを見つけた」「動作確認をしたら動かなかった」というケースです。
【例文】
○○様
この度は商品をご購入いただきありがとうございます。
発送準備をしておりましたところ、商品説明に記載のない傷(具体的な不備の内容)があることに気づきました。私の検品不足で、大変申し訳ございません。
このまま発送するわけにはいかないため、もしよろしければ本取引はキャンセルとさせていただけないでしょうか。
(もしご希望でしたら、○○円にお値下げしてお譲りすることも可能ですが、いかがでしょうか。)
お手数をおかけしますが、ご意向をお聞かせいただけますと幸いです。
【ペナルティに関する注意】
この場合も「商品状態を理由にキャンセルすること」に該当するため、迷惑行為と判断される可能性があります。出品前の丁寧な検品を心がけましょう。
理由3:価格設定を間違えた(安く売りすぎた)
「桁を間違えて出品してしまった」「相場より著しく安い価格で売れてしまった」というケースです。これは完全に出品者の自己都合となり、購入者に非は全くないため、キャンセルは原則として認められません。
【例文】
○○様
この度は商品をご購入いただきありがとうございます。
大変申し上げにくいのですが、出品時の価格設定に誤りがあり、本来の希望価格と大きく異なる金額で出品してしまっておりました。
誠に、誠に身勝手なお願いであることは重々承知しておりますが、このままの価格でお譲りすることが難しく、もし可能でしたら本取引をキャンセルさせていただけないでしょうか。
全て私の不注意が原因です。多大なるご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます。
【ペナルティに関する注意】
メルカリでは「購入手続き後に商品の値上げ、送料の上乗せを持ちかけること、また、それを理由にキャンセルすること」を迷惑行為としています。この理由でのキャンセルは悪質と判断され、厳しいペナルティ(利用制限など)の対象となる可能性があります。価格設定は慎重に行いましょう。
理由4:購入者が支払いをしてくれない
コンビニ/ATM払いが選択されたものの、支払い期限を過ぎても入金されないケースです。この場合は出品者側に非はなく、ルールに則ったキャンセルが可能です。
【対処法】
支払い期限を過ぎると、取引画面の下部に「この取引をキャンセルする」というボタンが表示されます。このボタンからキャンセル申請を行えば、ペナルティなく取引を中止できます。
【例文(キャンセル前の確認)】
○○様
お世話になっております。
ご購入いただいた商品の支払い期限が過ぎておりますが、ご状況はいかがでしょうか。
もし何かお困りごとがございましたら、ご連絡ください。本日中にご対応いただけない場合は、誠に残念ですが、ルールに則り取引をキャンセルさせていただきます。
【購入者向け】商品をキャンセルしたい場合の手順と注意点

「間違えて購入ボタンを押してしまった」「支払い方法を変更したい」など、購入後にキャンセルを希望するケースもあるでしょう。しかし、メルカリでは原則として購入者都合による自己都合のキャンセルは迷惑行為と定められています。
さらに重要な点として、購入者が自己都合でキャンセルしたい場合、取引画面にキャンセル申請のボタンは表示されません。そのため、自分から手続きを開始することはできず、必ず出品者に事情を説明し、合意を得た上で、出品者側からキャンセル手続きをしてもらう必要があります。
ここでは、購入者側からキャンセルを依頼する際の状況別の手順と注意点を解説します。
【状況別】キャンセル依頼の手順と例文
ケース1:支払い前・発送前の場合
支払いを完了する前や、出品者が商品を発送する前であれば、出品者に相談し、合意を得ることでキャンセルできる可能性があります。
【手順】
- 取引メッセージで、出品者の方にキャンセルの理由を正直に伝え、丁寧に謝罪します。
- 出品者からキャンセルの合意を得ます。
- 出品者の方に、キャンセル手続きを進めてもらうようお願いします。(購入者側の画面にはキャンセルボタンが表示されないため)
【例文:誤って購入してしまった場合】
○○様
お世話になっております。先日、商品を購入させていただきましたが、こちらの操作ミスにより誤って購入してしまいました。
誠に申し訳ございませんが、本取引をキャンセルさせていただけないでしょうか。
ご迷惑をおかけし大変恐縮ですが、ご同意いただけましたら、お手数ですがキャンセルのお手続きを進めていただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
【ペナルティに関する注意】
メルカリでは、「誤操作、誤購入によりキャンセルすること」「必要なくなったとの理由でキャンセルすること」などは自己都合のキャンセル、すなわち迷惑行為に該当します。たとえ出品者が同意してくれても、自己都合によるキャンセルを繰り返すと、事務局から警告や利用制限の対象となる可能性があります。
ケース2:商品発送後の場合
出品者が商品を発送した後は、物理的に商品が購入者へ向かっているため、原則として自己都合でのキャンセルはできません。この段階でキャンセルを申し出ても、出品者から合意を得ることは極めて困難です。
「イメージと違う」と感じた場合の注意点
「届いた商品がイメージと違った」という理由は、その原因によって対応が大きく異なります。
▼購入者の主観によるイメージ違いの場合
「思っていた色と少し違った」「自分の持っている服と合わなかった」など、商品説明に問題がない場合のイメージ違いは、メルカリガイドで定められている自己都合のキャンセルに該当します。この理由で出品者にキャンセルを申し出ても、同意を得るのは難しいでしょう。
▼出品者の説明と実物が異なる場合
一方で、「商品説明になかった大きな傷がある」「写真と全く違う色の商品が届いた」など、明らかに説明と異なる商品が届いた場合は話が別です。これは自己都合のキャンセルではなく、出品者に責任がある問題です。
この場合、受取評価はせず、取引メッセージで出品者に連絡し、状況を説明してください。その上で、返品・返金を含めた今後の対応について話し合うことになります。
(補足)購入者からキャンセル申請ができるケース
購入者側の取引画面にキャンセル申請フォームが表示されるのは、出品者が設定した「発送までの日数」を過ぎても商品を発送しない場合のみです。この場合は出品者側に問題があるため、購入者側からキャンセルを申請できます。
キャンセル成立後の返金について
出品者との合意を経てキャンセルが成立した場合、支払った代金はメルカリ事務局を通じて返金されます。出品者と直接金銭のやり取りをする必要はありません。
返金のタイミングや方法は、クレジットカード、メルペイ残高、コンビニ/ATM払いなど、利用した支払い方法によって異なります。詳しくはメルカリガイドの「キャンセル時の返金方法について」をご確認ください。
購入後のキャンセルに関するQ&A
最後に、メルカリのキャンセルに関してよくある質問とその回答をまとめました。
キャンセルは丁寧に対応しよう

今回はメルカリのキャンセルについて解説しました。
万が一キャンセルしなければいけなくなった場合は、上記の流れで対処しましょう。
もしメルカリについてわからないことがあれば、下記のメルカリガイドもご活用ください。
