着物の着付けに必要なものは？最低限揃えたいアイテム一覧と安く揃えるコツ

着物を着てみたいけれど、何が必要なのかわからず準備に戸惑っていませんか？着物や帯だけでなく、着付けにはさまざまな小物が必要です。この記事では、着付けに最低限必要なアイテムから、七五三や喪服などシーン別に必要なものまで詳しく解説します。

まずはチェック！着物の着付けに必要なもの一覧

着物の着付けには、多くのアイテムが必要です。まずは全体像を把握し、何が手元にあり、何を買い足す必要があるのかを整理しましょう。

着付けに必要なアイテムは大きく分けて3種類

着付けに必要なアイテムは、大きく「着物・帯などのメインアイテム」「着付けに必要な小物」「装飾小物・履物」の3つに分類できます。

これらをバランスよく揃えることで、美しい着姿が完成します。

準備を始める前に確認したいこと

必要なものを揃える前に、着用するシーンや着物の種類を確認する必要があります。結婚式、卒業式、お葬式、七五三など、場面によってふさわしい着物の格や必要なアイテムが異なるからです。

たとえば、結婚式では「訪問着」や「留袖」などの礼装が必要ですが、友人との食事会なら「小紋」や「紬」などのカジュアルな着物を選びます。

まずは目的を明確にしてから準備を始めましょう。

【基本編】着物を着るために最低限必要なもの

ここでは、着物を着るうえで欠かせない基本のアイテムを紹介します。これらはどの種類の着物を着る場合でも、ほぼ必ず必要になります。

着物・帯

着物は着用シーンに合わせて選びます。フォーマルな場では「訪問着」「付け下げ」、カジュアルな場では「小紋」「紬」などが一般的です。

帯も同様に、礼装には「袋帯」、カジュアルには「名古屋帯」や「半幅帯」を合わせます。

長襦袢（ながじゅばん）・半衿（はんえり）

長襦袢は着物の下に着るインナーの役割を果たし、着物の汚れを防ぐとともに、袖口や振りからちらりと見えることでお洒落を演出します。長襦袢は着物の寸法（特に裄丈や袖丈）に合ったものを選ばないと、着物の袖からはみ出してしまうことがあるため注意が必要です。

半衿は長襦袢の襟に縫い付ける布で、顔周りの印象を左右する重要なパーツです。

肌襦袢（はだじゅばん）・裾除け（すそよけ）

肌襦袢と裾除けは、長襦袢の下に着る肌着です。

肌襦袢は上半身、裾除けは下半身をカバーし、汗を吸い取ったり、足さばきを良くしたりする役割があります。

初心者には、肌襦袢と裾除けが一体になったワンピース型の「着物スリップ」が扱いやすくておすすめです。

足袋（たび）

足袋は洋服でいう靴下にあたるアイテムです。結婚式などの礼装では「白足袋」が基本ですが、カジュアルな場では色付きや柄物の足袋で個性を楽しめます。

サイズは普段の靴のサイズと同じか、0.5cm小さめを選ぶと足にフィットしてきれいに見えます。

草履（ぞうり）・バッグ

草履と和装用バッグも必要です。

礼装用は金銀の糸が使われた華やかなデザインで、草履のかかと（台）が高いものが一般的です。一方、カジュアル用は高さが低めで、歩きやすい素材やデザインが選ばれます。

ちぐはぐな印象にならないよう、着物の格に合わせたセットを用意しましょう。

【小物編】着付けを支える便利で重要なアイテム

着物や帯を美しく着付けるためには、専用の小物が欠かせません。これらは外からは見えませんが、着崩れを防ぎ、着心地を良くするために重要な役割を果たします。

腰紐（こしひも）

腰紐は着付けの基本となるアイテムで、長襦袢や着物を固定するために使います。通常、着付けには3〜5本程度必要です。

素材はポリエステル、正絹、ウール（モスリン）などがありますが、モスリン素材は滑りにくくて緩みにくいため、初心者でもしっかり締められます。

伊達締め（だてじめ）

伊達締めは、腰紐の上から締めて、長襦袢や着物の襟元や胸元を安定させるために使います。

素材は博多織などの絹製品や、ポリエステル製、マジックテープで留めるタイプなどがあります。マジックテープ式は結び目ができず、簡単に装着できるため便利です。

帯板（おびいた）・帯枕（おびまくら）

帯板は帯の前の部分（腹部）にシワが寄らないように入れる板で、帯枕はお太鼓結びなどの帯山をふっくらと立体的に作るための枕です。

帯板にはベルト付きとベルトなしがあり、ベルト付きは帯を巻く前に装着できるため初心者に向いています。

帯枕は帯結びの種類に合わせて大きさを選びます。

帯揚げ（おびあげ）・帯締め（おびじめ）

帯揚げは帯枕を包んで隠し、帯の上部を飾る布です。

帯締めは帯の中央で結び、帯結び全体を固定する紐です。

これらは機能的な役割だけでなく、着物コーディネートのアクセントとしての意味合いも強く、色や素材の組み合わせで印象が大きく変わります。

衿芯（えりしん）

衿芯は、長襦袢の半衿の中に通して使い、襟の形をきれいにカーブさせたり、立たせたりするための芯です。これがないと襟がふにゃふにゃになり、きちんとした印象になりません。

プラスチック製やメッシュ製があり、非常に安価で手に入りますが、着姿の美しさを決める必須アイテムです。

コーリンベルト

コーリンベルトは、両端にクリップがついたゴムベルトで、着物の襟先を挟んで固定し、着崩れを防ぐアイテムです。

必須ではありませんが、これを使うと胸紐の代わりになり、締め付けが軽減されるため楽に着られます。初心者にはあると非常に便利で、着付けのハードルを下げてくれます。

【シーン別】喪服や七五三で追加・変更が必要なもの

冠婚葬祭や行事によっては、特定のアイテムや決まりごとがあります。ここでは、喪服と七五三の場合について解説します。

喪服を着る場合に必要なものとマナー

お葬式などで喪服（黒紋付）を着用する場合、小物はすべて「黒」で統一する必要があります。具体的には、黒の帯揚げ、黒の帯締め、黒の草履、黒のバッグが必要です。

また、光沢のない素材を選ぶのがマナーです。

七五三（3歳）で必要なもの

3歳の七五三では、帯を締めずに「被布（ひふ）」というベストのような上着を羽織るスタイルが一般的です。

必要なものは、三つ身の着物、被布コート、長襦袢、草履、巾着、髪飾りなどです。

帯の締め付けがないため、小さなお子様でも負担なく着物を楽しめます。

七五三（5歳）で必要なもの

5歳の七五三は男児のお祝いであり、「羽織袴（はおりはかま）」スタイルが基本です。

必要なものは、着物、羽織、袴、長襦袢、角帯、羽織紐、お守り、懐剣（かいけん）、白扇（末広）、雪駄、足袋などです。

これだけ多くのアイテムを個別に揃えるのは大変なため、すべて揃ったセット品を探すのがおすすめです。

七五三（7歳）で必要なもの

7歳の七五三では、大人と同じように帯を結ぶスタイルになります。

四つ身の着物、袋帯（または作り帯）、帯揚げ、帯締めに加え、「しごき（志古貴）」「箱せこ（はこせこ）」「扇子（末広）」などの装飾小物が必要です。

これらは「七五三フルセット」として販売されていることも多く、まとめて揃えると便利です。

着物や小物を準備するのにメルカリをおすすめする理由

着物の準備には多くのアイテムが必要ですが、すべてを専門店で揃える必要はありません。フリマアプリ「メルカリ」を活用すれば、費用を抑えつつ、豊富な選択肢から選べます。

新品を買うよりも費用を大幅に抑えられる

着物や和装小物は、新品で揃えると数万円から数十万円かかることも珍しくありません。しかし、メルカリなら定価よりも大幅に安く手に入るケースが多くあります。一度しか使っていないものや、仕立て後に袖を通さなかったものも多く出品されており、美品・未使用品がリーズナブルに入手できます。

メルカリにおける着物・帯の取引データ

メルカリでは、2025年8月1日〜2025年10月31日の期間で、着物関連商品が27,652件出品されており、非常に活発に取引されています。帯も同様に、同期間で25,564件の取引が完了しています。

以下の表は、着物と帯それぞれの「カテゴリ別」「商品状態別」「人気ブランド別」の平均取引価格、中央値、取引件数をまとめたものです。

【着物】カテゴリ別データ
中央値を見ると、小紋は3,000円台、訪問着でも6,000円台と、非常にリーズナブルに手に入ることがわかります。

カテゴリ詳細	平均取引価格	取引価格（中央値）	取引件数
小紋	約5,700円	約3,200円	約8,880件
紬	約7,000円	約3,700円	約6,100件
訪問着・付け下げ	約13,300円	約6,600円	約5,420件
振袖	約19,400円	約8,600円	約2,980件
黒留袖	約11,100円	約6,000円	約1,610件
色無地	約8,700円	約4,500円	約1,340件
白無垢・色打掛	約33,900円	約16,200円	約450件
喪服	約6,900円	約4,300円	約350件
色留袖	約14,700円	約7,500円	約270件
着物（その他）	約4,700円	約3,700円	約260件

【着物】商品状態別データ
「目立った傷や汚れなし」の状態でも中央値は約4,600円と、手頃な価格で良品が見つかる可能性が高いです。

商品の状態	平均取引価格	取引価格（中央値）	取引件数
新品、未使用	約16,900円	約6,200円	約3,580件
未使用に近い	約14,400円	約7,500円	約3,270件
目立った傷や汚れなし	約10,800円	約4,600円	約11,750件
やや傷や汚れあり	約5,600円	約3,300円	約7,780件
傷や汚れあり	約4,900円	約3,300円	約1,210件
全体的に状態が悪い	約3,200円	約2,000円	約60件

【着物】人気ブランドTOP10
憧れの産地ブランドも、中央値なら1万円〜2万円台で手が届くケースがあることが読み取れます。

ブランド名	平均取引価格	取引価格（中央値）	取引件数
本加賀友禅(Hon Kaga Yuzen)	約29,700円	約25,000円	約40件
本場結城紬(Honba Yuki Tsumugi)	約27,600円	約11,400円	約30件
東レ(Toray)	約19,600円	約15,000円	約30件
ふりふ(Furifu)	約25,900円	約18,100円	約20件
KIMONOMACHI(KIMONOMACHI)	約11,300円	約10,600円	約20件
撫松庵(Bushoan)	約18,100円	約14,700円	約20件
本場塩沢紬(Honba Shiozawa Tsumugi)	約34,300円	約25,600円	約10件
KURURI(KURURI)	約16,600円	約18,900円	約10件
mamechiyo modern(mamechiyo modern)	約29,000円	約25,000円	約10件
山本寛斎(Kansai Yamamoto)	約40,200円	約31,500円	約10件

【帯】カテゴリ別データ
名古屋帯の中央値は約3,000円。カジュアルに使える半幅帯なら2,000円台とお得です。

カテゴリ詳細	平均取引価格	取引価格（中央値）	取引件数
名古屋帯	約5,700円	約3,000円	約11,010件
袋帯	約7,800円	約4,000円	約7,420件
半巾・半幅・小袋帯	約4,100円	約2,500円	約4,730件
付け帯・作り帯	約4,500円	約3,480円	約1,300件
丸帯	約4,100円	約3,300円	約140件
帯（その他）	約3,200円	約1,980円	約960件

【帯】商品状態別データ
「目立った傷や汚れなし」の中央値は約3,000円。きれいな状態の帯もリーズナブルに探せます。

商品の状態	平均取引価格	取引価格（中央値）	取引件数
新品、未使用	約10,500円	約5,000円	約3,840件
未使用に近い	約7,900円	約4,500円	約3,220件
目立った傷や汚れなし	約5,100円	約3,000円	約13,110件
やや傷や汚れあり	約3,300円	約2,300円	約4,380件
傷や汚れあり	約2,700円	約2,000円	約920件
全体的に状態が悪い	約1,100円	約500円	約90件

【帯】人気ブランドTOP10
ブランド帯でも、中央値が数千円台のものがあり、掘り出し物が見つかる可能性があります。

ブランド名	平均取引価格	取引価格（中央値）	取引件数
川島織物(川島織物)	約12,200円	約11,200円	約50件
utatane(utatane)	約4,400円	約2,999円	約20件
服部織物(服部織物)	約7,300円	約5,800円	約20件
龍村織物(龍村織物)	約19,600円	約12,800円	約20件
誉田屋源兵衛(誉田屋源兵衛)	約37,600円	約32,400円	約20件
撫松庵(撫松庵)	約10,400円	約7,450円	約20件
ふりふ(ふりふ)	約8,200円	約6,400円	約20件
KIMONO by NADESHIKO(KIMONO by NADESHIKO)	約12,700円	約9,500円	約20件
KIMONO MODERN(KIMONO MODERN)	約10,700円	約6,900円	約20件
三越(三越)	約9,900円	約5,400円	約10件

• この記事で掲載しているデータは、正確性を高めるため、特異値の除外を行ったうえで算出しています

必要なものが揃ったセット売りが豊富

メルカリでは、「着付け小物セット」や「七五三フルセット」など、必要なものがまとめて出品されていることがよくあります。

一つひとつ個別に買い集める手間が省け、初心者でも「あれを買い忘れた！」という失敗を防げます。

日本最大のフリマアプリだから品揃えが圧倒的

メルカリは日本最大のフリマアプリであり、累計出品数は40億品を突破しています。そのため、豊富な出品数の中から自分のサイズや好みに合うものを探せます。

珍しい柄の着物や、廃盤になったブランドの小物など、店舗では見つけにくいアイテムに出会える可能性もあります。

使用後はメルカリで売ることもできる

七五三や結婚式など、一度きりのイベントで使用した後は、メルカリに出品して次の人に譲ることができます。

メルカリの月間利用者数は2,200万人以上（2025年時点）いるため、需要のあるアイテムならスムーズに取引できる可能性があります。

メルカリで着物用品を賢く探すコツ

メルカリには膨大な数の商品が出品されているため、効率よく探すにはちょっとしたコツがあります。

「着付け小物 セット」「七五三 フルセット」のワードで探す

着付け小物を一つずつ探すのは大変です。そんな時はアプリの検索面に「着付け小物 セット」や「七五三 フルセット」と入力して探してみましょう。必要なアイテムがまとめて出品されている商品がヒットし、準備の手間を大幅に減らせます。

商品説明を読み、自分の持っていないものが含まれているか確認してください。

商品の状態とサイズをしっかり確認する

購入前には、商品の状態やサイズを必ず確認しましょう。特に着物は「身丈（みたけ）」や「裄丈（ゆきたけ）」が自分の体格に合っていないと、きれいに着られません。

商品説明にサイズが記載されていない場合は、コメント機能を使って出品者に質問することをおすすめします。

また、シミや汚れの位置も確認し、着用時に目立たない場所かどうかもチェックポイントです。

消耗品はまとめ買いがお得

腰紐や足袋などの消耗品は、複数本まとめて出品されているものを狙うとお得です。特に練習用として割り切るなら、中古のまとめ売りを利用するのも一つの手です。

メルカリでは「腰紐 5本セット」や「足袋 未使用」などで検索すると、リーズナブルな商品が見つかります。

必要なものを揃えて着物ライフを楽しもう

着付けに必要なものをリストアップして確認することで、安心して着物を着る当日を迎えられます。

すべてを新品で完璧に揃える必要はありません。フリマアプリ「メルカリ」などを活用して賢く準備することで、費用を抑えながら、着物をより身近に楽しめるようになります。

ぜひこの記事を参考に、必要なアイテムをお得に揃えてみてください。