引っ越しなどで今まで使っていたガスコンロが不要になったものの、「どうやって捨てればいいか分からない」という方も多いのではないでしょうか?この記事では、ガスコンロの捨て方や処分する際の注意点などをご紹介します。おトクに処分できる場合もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
ガスコンロの捨て方は7種類
ガスコンロを処分するには次の7つの方法があります。
- 粗大ごみとして自治体に回収してもらう
- 買い替えの際に販売店に回収してもらう
- 引っ越し業者に処分を依頼する
- 回収業者に依頼する
- 知人に譲る
- リサイクルショップで買い取ってもらう
- フリマアプリやネットオークションに出品する
それぞれの方法について、捨て方や処分にかかる費用、メリット・デメリットなどをご紹介します。
粗大ごみとして自治体に回収してもらう
ガスコンロは家電4品目に指定された製品ではないため、多くの場合、粗大ごみとして自治体に回収してもらうことができます。
粗大ごみとして回収(戸別収集)してもらう手順は次の通りです。
【粗大ごみとして捨てる場合の手順】
- 電話やインターネットなどで戸別収集を申し込む
- 粗大ごみ処理券を購入する
- ガスコンロに粗大ごみ処理券を貼って、指定された収集日時に玄関先などに搬出しておく
玄関先などの指定された場所にガスコンロを搬出しておくと、作業員が来て収集してくれます。
処分費用は自治体によって異なりますが、およそ300円~1,000円程度です。
申し込みやごみ処理券の購入、搬出などの手間がかかるのはデメリットですが、民間の回収業者に依頼するよりも安く処分できるのがメリットです。
なお、車を持っていて自分でごみ処理施設に搬入できる場合は、処理施設に直接持ち込む方法もあります。
買い替えの際に販売店に回収してもらう
ガスコンロを新しく買い替える場合、販売店によっては不要になったガスコンロを無料で引き取ってくれることもあります。
販売店へ持ち込む手間はかかりますが、処分費用は0円なので、「捨てるのにお金をかけたくない」という方や「できるだけ費用を抑えたい」という方におすすめの方法です。
ただし、「同じ種類の製品を購入した場合に限り利用可(引き取りのみは不可)」「オンラインショップでの購入時のみ利用可」など、無料で引き取ってもらうためには条件があるので、利用前によく確認するようにしましょう。
引っ越し業者に処分を依頼する
引っ越しに伴ってガスコンロを捨てる場合は、引っ越し業者に処分を依頼する方法もあります。
引っ越し業者のなかには、荷物の運搬だけでなく、いらなくなったアイテムの回収・買取サービスを行っているところもあるので、ホームページなどで確認してみましょう。
引っ越しのタイミングで持って行ってもらえるので手間がかからず、スムーズに処分できるのがメリットです。また、引っ越し直前までガスコンロを使いたい場合にも便利な方法です。
ただし、回収できる品目が限られている場合もあるので注意してください。回収費用も業者によって異なるので、事前によく確認しておきましょう。
回収業者に依頼する
「他のいらないものも一緒に処分したい」という場合や、「急いでガスコンロを捨てたい」という場合は、民間の回収業者に依頼するのがおすすめです。
自治体の粗大ごみ回収とは異なり、自分の都合の良い日時を指定して自宅まで回収に来てもらえるので、仕事などで忙しい方でも利用しやすいのがポイントです。
手間をかけずに処分できるのはメリットですが、費用は数千円と、自治体で処分してもらうより高額になる傾向があります。
また、無許可で回収を行っているような悪質な業者もいるので注意しなければなりません。
リサイクルショップで買い取ってもらう
製造後10年以内の状態の良いガスコンロであれば、リサイクルショップで買い取ってもらえる場合があります。
売却できればちょっとした収入になるので、「少しでもおトクに処分したい」という方は一度製造年式を確認してみましょう。特に、引っ越しが増える3月あたりは高値で売れやすくなります。
なお、リサイクルショップで買い取ってもらうためには、ガスコンロに付いた油汚れなどをできるだけ落として、「美品」と判断できる状態まできれいにしておくのが重要です。
汚れがこびりついているものや、10年より前の古いモデルのものだと買い取りしてもらえない可能性が高いので注意しましょう。
フリマアプリやネットオークションに出品する
「まだ使えるガスコンロを捨てるのはもったいない!」という場合は、フリマアプリやネットオークションを利用するのもおすすめです。
梱包や発送などの手間はかかりますが、ガスコンロを必要としている方に直接売却できるので、リサイクルショップよりも高値で売れる可能性があります。
また、リサイクルショップでは買い取ってもらえないような古いモデルのガスコンロでも、フリマアプリやネットオークションであれば出品可能なのもポイントです。安い価格で売り出せば買い手がつく可能性もあるでしょう。
もちろん、新しいモデルのものや、スタイリッシュでおしゃれなデザインのものであればより需要が見込めるため、ある程度高い価格設定でも売れやすくなります。
ただし、すぐに売れるとは限らないので、処分を急ぐ場合は別の方法を検討しましょう。
知人に譲る
「いらなくなったけどまだまだ使えるし、捨てるのはなんだかもったいない……」という場合は、友人や知人に譲るという方法もあります。
処分費用をかけずに捨てられるだけでなく、相手もガスコンロを購入する費用や手間を省けるので、双方にメリットがある方法です。
友人・知人で新生活を始める予定のある人がいれば、ガスコンロが欲しいかどうか一度聞いてみても良いかもしれません。
譲る前にはガスコンロに不具合がないかをしっかり確認し、きれいに掃除してから渡すようにしましょう。
譲った直後に故障したり、汚れが付いたままの状態で渡したりするとトラブルになる可能性があるので要注意です。
ガスコンロとカセットコンロ(卓上コンロ)の捨て方は同じ?
ガスコンロとカセットコンロ(卓上コンロ)の捨て方は、自治体によって様々です。
例えば福岡市の場合、ガスコンロもカセットコンロも「燃えないごみ」に分類されています。
一方、広島市では、ガスコンロは「大型ごみ」(最長の辺の長さまたは最大径が30cm未満のものは「資源ごみ」)、カセットコンロは「資源ごみ」(最長の辺の長さまたは最大径が30cm以上のものは「大型ごみ」)となっています。
このように地域によってルールは異なりますので、捨てる際はお住まいの自治体の決まりを確認しましょう。
(参照:ごみの分け方(品目)検索|福岡市ごみと資源の分け方・出し方情報サイト)
(参照:家庭ごみ分別50音事典_か行 – 家庭ごみ|広島市公式ホームページ|国際平和文化都市)
ガスコンロを処分する際の注意点
ガスコンロを捨てる際に知っておきたい注意点を解説します。安全に処分するための重要なポイントなので、必ずチェックしておいてください。
ビルトインタイプは自力で取り外し不可
ガスコンロには、「テーブルコンロ」と「ビルトインガスコンロ」の2種類があります。
テーブルコンロとは、コンロ部やグリル、操作部が一体化している置き型のガスコンロのことです。
コンロ台に直接置いてガス栓を繋いであるだけなので、取り外す際も特に工事の必要はありません。
一方、ビルトインガスコンロはシステムキッチンに埋め込んで使うタイプのガスコンロで、設置や取り外しには専門資格を保有した業者による工事が必要となります。
そのため、ビルトインタイプのガスコンロを処分する場合は、決して自力で取り外そうとせず、必ず業者に依頼するようにしてください。
取り外し・処分費用は業者によって異なりますが、1,000円~3,000円ほどが相場となっています。
ガスコンロは危険物!取り外しは慎重に行う
置き型のテーブルガスコンロの場合は、処分の際に自分で取り外すことができます。
ただし、ガスは引火する恐れがあり、一歩間違えれば火災を引き起こす可能性もあるため、注意して作業しなければなりません。
特に、作業する際にタバコを吸うのは厳禁です。
「ガスコンロは危険物である」という認識をしっかり持って、慎重に取り外すようにしてください。
取り外す際に気を付けるべきポイントを解説します。
ガスホースを取り外す前に必ず元栓を閉める
ガスホースを抜く際は、必ず元栓を閉めてから行うようにしてください。
元栓を閉めずにガスホースを抜いてしまうと、漏れたガスが原因で火事になる恐れがあり大変危険です。
ガスホースを無理に引っ張らない
ガスホースが硬くてなかなか抜けなくても、無理に引っ張らないようにしましょう。ハサミやカッターなどでホースを切って、元栓から抜くようにしてください。
ガスホース内のガス抜きをしっかり行う
ガスホースを元栓から抜いたら、ホース内に溜まっているガスを抜きます。ガス抜きを十分にしないままホースを放置していると、引火の可能性があるため危険です。
安全装置非搭載のガスコンロは早めに処分・交換を
2008年10月以前まで、ガスコンロの安全機能についてはメーカーの自主的な取り組みに任されてきました。
しかし、ガスコンロが火災の原因になることが多かったため、2008年10月から、バーナー全口に「調理油過熱防止装置」と「立ち消え安全装置」の搭載が義務化されることになりました。
・調理油過熱防止装置
鍋底の温度が250℃になると、センサーで検知して自動的に消火する装置です。加熱のしすぎによる油からの発火を防ぎます。
・立ち消え安全装置
煮こぼれ・吹きこぼれ、強風などで火が消えてしまった場合に、ガスを自動で止める装置です。
この他にも、現在のガスコンロには「消し忘れ消火機能」や「鍋なし検知機能」、「焦げつき自動消火機能」などといったさまざまな安全装置・安全機能が搭載されています。
しかし、2008年10月以前に製造されたガスコンロの場合、こうした安全装置が搭載されていないか、搭載されていたとしても一部の口に限られているため、火災を引き起こす危険が高いです。
実際、「令和3年版 消防白書」によると、令和2年中に起きた火災のうち、出火原因の3位はコンロで、このうち「ガスコンロの消し忘れ」が約半数を占めています。
安全装置が付いたガスコンロであれば、消し忘れなどによる火災リスクを低減できるので、2008年10月以前に製造されたガスコンロを持っている方は、早めに処分または買い替えを検討しましょう。
ガスコンロの捨て方は自分の都合に合わせて選ぼう
ガスコンロの処分方法には、粗大ごみとして回収してもらう・回収業者に回収を依頼する・フリマアプリに出品するなど、さまざまな方法があります。
「処分費用を安く抑えたい」「できるだけ手間をかけずに捨てたい」「ガスコンロ以外のアイテムもまとめて処分したい」など、自分の都合や状況に合う方法を選んで、スムーズに処分しましょう。
まだ使えるガスコンロであれば、メルカリで出品して売れればちょっとした収入にもなるので、ごみとして捨てるよりおトクに処分できる可能性もあります。
出典:令和3年版 消防白書