魚のEC販売市場は急速に拡大しており、鮮魚をネットで購入する需要は年々高まっています。本記事では、魚をECで販売するメリットとデメリット、始め方のステップや利益シミュレーション、さらに成功の秘訣までを徹底解説します。
なぜ今、鮮魚のEC販売が熱いのか?おすすめの理由

魚介類のEC販売市場は、ライフスタイルや消費行動の変化を背景に急成長しています。鮮度や品質へのこだわりに加え、自宅で手軽に新鮮な魚を受け取りたいという需要が高まり、スマホ普及やコロナ禍による非対面志向も追い風となりました。
購買行動の変化:自宅で新鮮食材を手軽に求めるニーズ拡大
現代のお客さまは、時間や場所に縛られず、質の高い商品を手軽に手に入れたいと考えています。
魚介類を求める方の意向においては、新鮮さや産地へのこだわりを持ちながら、スーパーの決まった品揃えにとどまらず、専門性の高い魚や漁師直送の鮮魚を求める傾向が強まっています。
EC販売なら、実店舗では手に入りにくい地元の特産品や高級魚もワンクリックで注文でき、保冷技術が発達した物流によって鮮度を保ったまま自宅に届けられます。
こうした仕組みにより、ECは「新鮮さ」「多彩な品揃え」「手軽さ」という現代のお客さまの大きなニーズを同時に満たし、鮮魚のネット通販はますます注目を集めています。
新たな販路:漁業者や生産者が直接届けられる時代に
これまで魚の流通は、漁協や市場、仲卸業者など複数の経路を経るのが一般的で、その分時間がかかり、鮮度が落ちる原因の一つとなっていました。
しかし現在はEC販売の普及により、漁業者や養殖業者といった生産者が、時間や手間をかけずに直接お客さまへ販売できる環境がしっかりと整っています。
これによって中間マージンが削減され、お客さまは鮮度の高い魚をより適正な価格で手に入れられるようになりました。さらに、生産者の顔が見える販売は信頼性を高めるだけでなく、消費者から直接フィードバックを得る機会にもつながり、商品開発や販売戦略に活かせるというメリットもあります。
こうした生産者と消費者が直接つながれる仕組みは、EC市場が持つ大きな魅力のひとつです。
デジタル技術の進化:EC構築やSNS集客で広がる販路
ECサイトを構築するための技術は年々進化しており、専門知識がなくても、テンプレートやサポート体制を活用すれば法人や個人事業主でも質の高いネットショップを比較的簡単に立ち上げられるようになりました。
また、InstagramやX(旧Twitter)、FacebookといったSNSを使った集客は、魚のEC販売においても強力な手段です。獲れたての魚や調理後の写真を投稿することで商品の魅力を直感的に伝えられ、潜在顧客の関心を引くことができます。
さらに、ライブ配信で水揚げの様子をリアルタイムに発信するなど、デジタル技術を活用すれば、商品だけでなく生産背景やこだわりも届けられ、お客さまとのつながりを深めることが可能です。
こうした技術の進化は、魚のEC販売における販路拡大とブランド構築の大きな後押しとなっています。
鮮魚類のEC販売・ネット展開におけるメリット・デメリット比較

EC販売は、鮮魚を扱う事業者にとって大きな成長機会をもたらしますが、実店舗販売とは異なる特有の課題もあります。
ECならではのメリットを得るためには、同時にデメリット(注意点)も理解し、あらかじめ対策を講じることが欠かせません。メリットを最大限に活かし、デメリットを最小限に抑えるための戦略的な比較検討こそが、鮮魚EC事業成功の第一歩です。
ここでは、鮮魚類のEC販売における具体的なメリットと、事業者が特に注意すべきデメリットについて解説します。
鮮魚類のEC販売・ネット展開におけるメリット
まずは、鮮魚類のEC販売・ネット展開におけるメリットについてご紹介します。
商圏の拡大:生産者は直接ECを通じて全国、そして世界中の顧客に販売できる
実店舗での魚販売は立地条件に左右され、商圏は店舗周辺の数キロ圏内に限定されます。
しかしECサイトを立ち上げれば、生産者が直接、商品を求めるお客さまに対してインターネットを通じて日本全国にお届けが可能となり、さらには物流体制を整えることで海外のお客さまにまで販売できるようになります。
この地理的制約からの解放こそ、EC販売の最大のメリットであり、事業規模を大きく拡大できる可能性を秘めています。
運営コストの削減:家賃や人件費を抑えられる
実店舗を構える場合、高額な家賃や水道光熱費、多くのスタッフを雇うための人件費など、固定費が大きな負担となります。
一方、EC販売を中心にすれば、これらの運営コストを大幅に抑えられる可能性があります。例えば、倉庫や加工場から直接発送する形を取れば、一等地の高い家賃を支払う必要がなくなり、その分を商品の品質向上や物流・梱包の改善、集客のためのマーケティング費用に充てることができます。
また、注文処理や問い合わせ対応をシステム化し、少人数で運営することで人件費も削減可能です。もちろん、ECサイトの構築費用や手数料、梱包資材費などは必要ですが、全体としては固定費を抑え、変動費中心のコスト構造に転換できます。
データ活用:顧客の購買データを分析し、マーケティングに活かせる
ECサイトでは、お客さまが「いつ」「どの商品を」「どのくらいの頻度で」購入したかに加え、よく閲覧したページや比較検討した商品など、購買行動に関するデータが自動的かつ詳細に記録されます。
実店舗では感覚的にしか把握できなかった売れ筋や顧客の好みも、データ分析によって「どの魚が」「どの地域で」「どのようなお客さまに」人気があるのかを正確に把握できます。こうした分析は販売戦略の策定に大きく役立ちます。
たとえば、特定の魚をギフトとして購入する傾向を把握し、そのタイミングに合わせてギフト提案のプロモーションを行う、あるいは購買履歴をもとに好みに合った魚をメールでおすすめすることで、購買意欲を効果的に高められます。
鮮魚類のEC販売・ネット展開における注意点
ここからは、鮮魚類のEC販売・ネット展開において気をつけておきたい点についてご紹介していきます。
顧客が商品に触れられない:鮮度や品質を直接確認できない
鮮魚販売でお客さまが最も重視するのは「鮮度」と「品質」です。実店舗では、魚の色やつや、身の張りを直接確認でき、さらに店員の説明を聞いて安心して購入できますが、EC販売ではそれができません。購入判断はサイト上の画像や商品説明、事業者の発信情報に委ねられるため、この不安を解消することが成功の鍵となります。
具体的には、魚を多角的に撮影した鮮明な画像を掲載し、目利きが伝わるよう工夫することが重要です。さらに、水揚げから梱包・発送までの品質管理体制を数値や写真で明示することで信頼感を高められます。「どこで・誰が・どのように扱っているか」といったトレーサビリティ情報の開示も、安心感を与える大きな要素です。
加えて、万一鮮度が落ちた状態で届いた際に迅速かつ誠実に対応できる返品・交換ポリシーを示しておくことも大切です。
こうした取り組みは、お客さまの不安を和らげ、安心して購入してもらうだけでなく、リピート購入にもつながります。
物流・梱包の手間:鮮度を保つための特殊な梱包や配送が必要
鮮魚類は、生の魚の場合は常温輸送ができず、鮮度を保つにはマイナス温度帯での厳格な温度管理が欠かせません。そのため、通常の宅急便ではなく、冷蔵・冷凍に対応したクール便などの特殊配送サービスを利用する必要があります。
加えて、専用の発泡スチロール箱や保冷剤、ドライアイス、水漏れ防止用フィルムなど、一般的なEC商品よりも手間とコストのかかる梱包資材が求められます。
さらに、魚の種類や加工状態(活魚、生、冷凍、干物、切り身など)によって、最適な梱包方法や保冷剤の量は異なるため、商品の特性に合わせた対応が重要です。特に夏場の猛暑や遠方配送では、二重の保冷対策や輸送時間の短いルート選択といった工夫が不可欠となります。
こうした物流・梱包の手間とコストは利益を圧迫する要因にもなり得るため、事前に配送業者と料金を交渉する、資材の仕入れルートを見直す、梱包作業を効率化するといった対策が、鮮魚EC販売成功の鍵となります。
集客の難しさ:多くの競合の中から自社サイトを見つけてもらう必要がある
EC市場の拡大は、鮮魚を扱う競合の増加を意味します。
実店舗では立地が集客の鍵となりますが、ECではサイトを開設しただけではお客さまは訪れてくれません。数多くのECサイトの中から自社商品を見つけてもらい、購入につなげる「集客」は、EC販売における最大の課題の一つです。
集客のためには、検索結果で上位を狙うSEO対策、ターゲット層に合わせた計画的なウェブ広告、SNSでの魅力的な発信などを組み合わせ、継続的に実施する必要があります。特に鮮魚販売では、「旬の時期」「産地直送」「特別な加工方法」といった鮮度の高い情報をタイムリーに発信することが、お客さまの関心を引く上で効果的です。
ただし、集客には費用や労力が伴うため、明確なターゲット設定と予算計画に基づく戦略的な取り組み、そして継続的な改善が欠かせません。
鮮魚類のEC販売・ネット展開を始めるための具体的な準備

EC販売のメリットを最大限に活かし、事業を成功軌道に乗せるためには、事前の周到な準備が不可欠です。鮮魚という特性上、一般的なEC販売とは異なり、法令遵守や特殊な物流体制の構築が求められます。
ここでは、EC事業をスタートさせるための最初の一歩であるビジネスプランの策定から、営業許可の取得、そして安定的な仕入れルートと梱包・配送の最適化に至るまで、法人・個人事業主の皆さまが順序立てて進めるべき具体的なステップを詳細に解説します。
ステップ1:ビジネスプランの策定
EC販売を成功させるための基盤は、綿密に設計されたビジネスプランにあります。詳しく見ていきましょう。
誰に、何を、どのように販売するかを決める
EC販売を成功させるには、事業の核となる明確なビジネスプランが欠かせません。
まずは「誰に」販売するか、ターゲットとなるお客さま層を具体的に定めることが重要です。例えば「共働きで忙しい30代主婦層に骨取り済みの加工品を提供する」のか、「自宅で高級魚を楽しみたい富裕層に極上鮮魚を贈答用として販売する」など、目的によって、扱う魚の種類や価格帯、サイトデザイン、プロモーション戦略も大きく変わります。
次に「何を」販売するかを決めます。これは差別化を図るうえで重要で、単なる魚の販売にとどまらず、「漁師直送の鮮魚定期便」や「魚を使った調理済みミールキット」など、ニーズに合わせた付加価値をつけた商品を企画することが成功への近道です。
最後に「どのように」販売するかを明確にします。単品販売、定期購入、ギフト需要など複数の販売形態を検討し、仕入れ価格や梱包・配送コストを踏まえて適正な価格設定を行う必要があります。
初期費用とランニングコストのシミュレーション
EC販売を始める際は、発生費用を事前に把握しておくことが健全な運営の土台になります。
まず初期費用は、ECサイトの構築・出店費(独自ECかモール型ECかで変動)、初回仕入れ、梱包資材の初回購入、営業許可の取得費など。次にランニングコストは、サイトの月額利用料や販売手数料、継続仕入れ、梱包資材の補充、そして最も影響が大きいクール便の配送料などです。
鮮魚は配送料が利益を圧迫しやすいため、配送料金を含むトータルコストを正確にシミュレーションして採算ラインを明確にすることが重要です。
無理のない資金計画でスタートし、想定外に備えて広告宣伝費や予備費もあらかじめ計上しておくと、事業を安定させやすくなります。
ステップ2:必須の許可と届出
鮮魚という「食品」を取り扱う以上、法律で定められた許可や届出は厳守しなければなりません。これは店頭販売に限らず、EC販売においても同様です。このステップを怠ると、事業の停止や罰則を受けるリスクがあるため、最も慎重に進める必要があります。
食品衛生法に基づく営業許可の取得方法
鮮魚を含む食品をECで販売する場合も、実店舗と同様に「食品衛生法」に基づく営業許可が必要です。EC販売で許可が求められるのは、主に商品の加工や保管を行う施設です。例えば、魚を切り身やフィーレに加工したり、冷蔵・冷凍で保管したりする場所が該当します。
取り扱う食品によって許可の種類は異なり、鮮魚の販売であれば「魚介類販売業」や「冷凍食品製造業」が必要となるケースがあります。
施設は、食品衛生責任者の配置や衛生管理に必要な設備など、保健所が定める施設基準を満たすことが条件です。具体的な要件や申請手続きは管轄保健所によって異なるため、事業開始前に必ず相談し、基準を確認することが大切です。
許認可の要否やその内容、証明書の提示義務については、ご自身で営業所の所在地を管轄する行政機関にご確認ください。
必要な許可を得ずに販売すると法律違反となり、事業停止などの罰則を受ける可能性があるため、必ず必要な手続きを確認・完了させてから運営を始めましょう。
特定商取引法に基づく表示義務の徹底
ECサイトを運営する法人や個人事業主は、「特定商取引法」に基づき情報を開示する義務があります。この法律は、インターネット取引で消費者を保護することを目的としており、お客さまが安心して購入できる環境を整えるために不可欠です。
具体的には、ECサイトのトップページやそれに準ずる見やすい場所に、販売業者の氏名・住所・電話番号・代表者名、販売価格や送料、支払方法、商品の引渡時期、返品・交換に関する特約などを正確に記載しなければなりません。
特に鮮魚の場合は、生鮮品であることから返品・交換の条件や、配送中の事故に対する保証範囲などを誤解のないよう丁寧に明記することが重要です。
これらの表示を怠ったり虚偽の情報を記載したりすると、法律違反となるだけでなく、顧客からの信頼を大きく損なう恐れがあります。事前に消費生活センターなどで確認し、適切な情報開示を徹底することが求められます。
ステップ3:商品企画と仕入れ
EC販売において、お客さまの関心を惹きつけ、リピート購入につなげるためには、「商品力」が決め手となります。
単に新鮮な魚を販売するだけでなく、競合と差別化できる独自の魚種や付加価値を持たせた加工品を企画することが成功の鍵です。そのためには、市場で「売れる魚」を見極める目利きと、高品質な魚を安定的に、かつ適正価格で仕入れる強固なルートの開拓が必須となります。漁業者や市場との信頼関係を築き、供給の安定性を確保することが、EC事業の成長基盤を確かなものにします。
売れる魚、差別化できる魚の選び方
EC市場で成功するためには、ただ魚を並べるのではなく、「売れる魚」と「差別化できる魚」を見極めて商品ラインナップに組み込むことが重要です。
「売れる魚」とは、マグロやサーモン、エビといった需要が高く幅広い層に受け入れられる定番商品で、安定した売上を確保するために欠かせません。ただし競合も多いため、品質や価格面での工夫が必要です。
一方「差別化できる魚」は、地元の漁港でしか手に入らない珍しい魚、特定の漁法にこだわった魚、高付加価値の加工品などが該当します。例えば「神経締め」を施した極上の鮮魚、骨取りや調理済みで手軽に食べられるミールキット、独自の味噌漬けや粕漬けなどは、価格競争に巻き込まれにくく、独自ブランドの確立や熱心なファン獲得につながります。
商品の企画にあたっては、お客さまのライフスタイルやニーズを丁寧に分析し、どのような魚が喜ばれるか、どのような「手間」を省いて提供できるかを追求することが、競争優位を築く鍵となります。
漁業者や市場からの仕入れルート開拓
EC販売で高品質な鮮魚を安定的に提供するには、信頼できる仕入れルートの確保が欠かせません。
仕入れ方法には、地元の漁港や漁協から直接仕入れる、卸売市場の仲卸業者を通す、各地の生産者と直接契約を結ぶ、といった選択肢があります。特に漁業者や生産者から直接仕入れる方法は、中間マージンを削減できコスト競争力が高まるうえ、水揚げ直後の鮮魚を入手できる点が大きな強みです。この「生産者直送」というストーリー自体が、ECサイトの魅力にもなります。
信頼関係を築くためには、現地訪問で漁法や品質管理を理解し、定期的に情報交換を続けることが重要です。また、一つの漁港だけに依存せず複数の仕入れ先を確保しておくことで、天候不良などによる漁獲量の変動リスクを分散し、安定供給につなげられます。
仕入れルートの開拓は、商品の品質と価格競争力を左右する、EC事業における最重要の準備の一つです。
ステップ4:梱包と配送の工夫
鮮魚のEC販売において、物流は「鮮度」という最大の価値を守るための最後の砦です。お客さまが受け取った瞬間の満足度を左右するため、特に慎重な対応が必要となります。
鮮度維持には、適切な梱包資材の選定や保冷剤の配置が欠かせません。同時に、コストのかかるクール便の送料を抑えつつ利益を確保する配送戦略も重要です。
法人契約による送料の削減や、梱包の工夫でサイズを小さくするなど、細部まで徹底した品質管理とコスト管理が求められます。
鮮度を保つための最適な梱包資材と方法
鮮魚のEC販売において「梱包」は、品質と鮮度を守る生命線です。お客さまが開封した瞬間に鮮度の高さを感じられるよう、最適な資材と方法を取り入れることが重要です。基本は、魚が動かないようにする緩衝材や、水漏れを防ぐ密閉性の高い袋の使用です。
さらに最も重要なのが温度管理です。保冷効果の高い発泡スチロール箱を用いるのはもちろん、夏場など外気温が高い時期には断熱性のあるウレタンボックスも有効です。
加えて、保冷剤やドライアイスを魚の量・配送時間・外気温に応じて適切に配置し、内部温度を一定に保つ工夫が欠かせません。特に冷凍品では、急速冷凍された状態を維持するための対策が必要です。
また、見栄えの良い梱包は商品価値を高め、満足度向上にも直結します。清潔感があり開封しやすく、さらに環境に配慮した資材を選ぶことも、現代のお客さまにアピールする上で大切です。
クール便の選び方と送料を抑えるテクニック
鮮魚のEC販売にはクール便の利用が不可欠ですが、その送料は大きなコストとなるため、適切な配送業者を選び、送料を抑えるための工夫が必要です。
主要な配送業者はそれぞれ異なる料金体系やサービスを提供しており、発送量や地域、箱のサイズに応じて、事前に各社の料金を比較検討し、最もコスト効率の良い業者を選択することが、コスト削減の第一歩となります。
また、単発での契約ではなく、継続的な大量発送を見込んだ法人契約を結ぶことで、通常よりも大幅な割引料金を適用してもらえる可能性があります。送料を抑えるテクニックとしては、魚の適切な加工により箱のサイズを小さく抑えることや、複数の魚を組み合わせたセット販売などで一回あたりの購入単価を高め、送料込みの価格設定(〇〇円以上で送料無料など)にすることなどが考えられます。
送料がお客さまの購入意欲を左右する大きな要因となるため、送料と商品の販売価格のバランスを慎重に検討し、利益を確保できる配送戦略を構築することが重要です。
ECサイトの主なタイプとそれぞれの特徴

ECサイトの立ち上げ方法にはさまざまな選択肢がありますが、大きく分けると「独自ECサイト」と「モール型ECサイト」の二つのタイプに分類できます。どちらを選ぶかは、事業の予算、ブランド戦略、必要な機能、そしてどの程度の集客力を確保したいかによって最適な答えが変わります。
ここでは、それぞれのECサイトの特徴とメリット・デメリット、さらに具体的な出店サービスについて詳しく比較していきます。
独自ECサイト:自由度とブランディングを重視する方向け
独自ECサイトとは、自社でECシステムを構築したり、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)やパッケージソフトを利用して、完全に独立したネットショップを運営する形式です。
最大のメリットは、デザインや機能の自由度が高いことにあります。自社のブランドイメージを反映したデザインを採用したり、定期購入機能や会員向けプログラムなど、ビジネスモデルに合わせた機能を柔軟に追加することが可能です。鮮魚販売であれば、鮮度を伝える動画機能や漁港のライブカメラ映像の埋め込みなども自由に実装できます。
一方で、サイト構築には初期費用と時間がかかり、集客はすべて自社の努力に依存するため、SEOや広告運用が重要になります。強力なブランド構築を目指す法人や、既に独自の集客基盤を持つ事業者、または既存システムとの連携を重視するケースに適した選択肢と言えるでしょう。
モール型ECサイト:手軽さと集客力を重視する方向け
モール型ECサイトとは、メルカリShopsをはじめ、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングといった巨大なプラットフォームの中に自分の店舗を出店する形式です。
この形式の最大の魅力は、プラットフォームが既に抱えている膨大なお客さまに対して、最初から商品をアピールできるという点、すなわち強力な集客力です。
ゼロから集客の努力をする必要がないため、EC販売をスピーディーに開始し、すぐに売上を立てたいと考える事業者に適しています。
また、サイト構築の手間が少なく、決済やセキュリティ対策などもプラットフォーム側が提供してくれるため、システム運用やトラブル対応の手間が少ないというメリットもあります。
鮮魚販売においては、「モール内で食品を探している」という購買意欲の高いお客さまに直接アプローチできるため、初期の売上確保に繋がりやすいです。
ただし、モール内には多数の競合店舗が存在するため、価格競争に陥りやすいことや、プラットフォームのルールやデザインの制約を受ける点は注意が必要です。
より多くのお客さまへ自慢の魚を届けたい方や、まずはEC販売を始めてみたい法人・個人事業主、既存の販路を補完したい事業者にとって、ECモールへの出店は非常に有効な選択肢となります。
主なネットショップ出店サービス一覧・比較
ここでは、主なネットショップ出店サービスを一覧化してわかりやすく比較します。出店先選びの参考にぜひご覧ください。
| プラットフォーム名 | 出店登録費用 | 別途手数料 |
|---|---|---|
| メルカリShops | 無料 | ・売上金の10%が販売手数料 ・販売利益の振込時、1回につき200円の振込手数料 |
| 楽天市場 | ・がんばれ!プランの場合:25,000円/月額(年間一括払) ・スタンダードプランの場合:65,000円/月額(半年ごとの2回分割払) ・メガショッププランの場合:130,000円/月額(半年ごとの2回分割払) 【全プラン共通必須費用】 初期登録費用:60,000円 楽天ポイント:楽天会員の購入代金(税抜)×付与率(通常1.0%) 楽天スーパーアフィリエイト:アフィリエイト経由売上の2.6~5.2% モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料:月間売上高の0.1% R-Messe:月額固定費(税別) がんばれ!プラン:3,000円 スタンダードプラン・メガショッププラン:5,000円 (2025年9月29日現在無料期間中(終了時期未定)です。) 楽天ペイ利用料:月間決済高の2.5%~3.5% 上記の料金はすべて税別です。 | ・がんばれ!プランの場合:システム利用料 パソコン/3.5%~6.5%、モバイル/4.0%~7.0% ・スタンダードプランまたはメガショッププランの場合:システム利用料 パソコン/2.0%~4.0%、モバイル/2.5%~4.5% |
| Amazon | ・大口出品の場合:4,900円/月 ・小口出品の場合:100円/商品 | ・商品カテゴリーによって異なる(多くの場合は5%~15%の販売手数料) |
| Yahoo!ショッピング | 無料 | ・ストアポイント原資負担:1%~15%(現在1%は必須になります) ・キャンペーン原資負担 :1.5% ・アフィリエイトパートナー報酬:1%~50%(1%は必須) ・アフィリエイト手数料:アフィリエイトパートナー報酬の30% ・ストア決済サービス手数料:決済方法により異なります ・売上金振込依頼1回につき100円(税込)ただしPayPay銀行口座への振込手数料は無料 |
| Shopify | ・Basic:4,850円/月 ・Grow:13,500円/月 ・Advanced:58,500円/月 ・Plus:$2,300/月(3年契約) ※一部のプランにおいて年払いの場合は25%オフが適用されます | Shopifyペイメント・Shopifyペイメントを使用しない場合の外部サービス取引手数料・Shopify Marketplace Connectにおける手数料・その他の有料サービスなど利用状況に応じた手数料の発生 |
| STORES | ・フリープラン:無料 ・ベーシックプラン:3,480円/月 | ・フリープランの決済手数料:5.5%〜 ・ベーシックプランの決済手数料:3.6%〜 ・振込手数料:売上合計が1万円以上の場合は275円・売上合計が1万円未満の場合は275円に加え事務手数料275円 |
| eBay | 月額ストア費用(年間契約):ストアなし0USD/月・スターターストアプラン4.95〜USD/月・ベーシックストアプラン21.95〜USD/月・プレミアムストアプラン59.95〜USD/月・アンカーストアプラン299.95〜USD/月・エンタープライズストアプラン2,999.95〜USD/月 | ・出品手数料(無料出品枠超):ストアなし0.35$/1品・スターターストアプラン0.30$/1品・ベーシックストアプラン0.25$/1品・プレミアムストアプラン0.1$/1品・アンカーストアプラン&エンタープライズストアプラン0.05$/1品 ・海外決済手数料:全プラン共通0.4%〜1.35%(先々月の総売上金額によりディスカウントあり) |
| Qoo10 | 無料 | ・カテゴリー別に6〜10%の販売手数料(決済手数料込み)※「メガ割」時の対象商品は購入決済金額のプラス1%/Qoo10負担割引が適用された注文はプラス0.5%/予約販売、後日配送の場合はプラス2%/Qoo10での銀行口座登録が日本国外の場合、または商品出荷地が日本国外の場合はプラス2%/Qoo10サイト以外の外部広告、または最安値コーナー経由の売上の場合はプラス1% ・販売利益の振込時、1回につき150円の振込手数料 |
記載の情報は2025年9月現在の情報です。最新の情報は各社公式ページにてご確認ください。
メルカリShops:ネットショップひらくならメルカリShops (ショップス)
楽天市場:出店プランと費用|楽天市場
Amazon:料金プラン、配送手数料、料金シミュレーター | Amazon出品サービスの料金
Yahoo!ショッピング:料金・費用|ネットショップ開業ならヤフーショッピング
Shopify:Shopifyの料金プラン – 各プランの詳細情報と比較 – 無料体験 – Shopify 日本
STORES:利用料金・手数料 | STORES ネットショップ
eBay:料金について
Qoo10:Qoo10大学 |費用
魚の販売におけるECサイトの出店先選びのチェックリスト

ECサイトの出店先選びは、事業の収益性と成長性を左右する重要な意思決定です。数あるプラットフォームから最適解を選ぶには、感覚や表面的な情報に頼らず、客観的なチェックリストで比較検討することが不可欠です。
ここでは、コスト構造、顧客層、販促機能、運用体制の4つの観点から、事業者が具体的に確認すべきポイントをわかりやすく解説します。
初期費用と月額費用
コストは事業の継続性に直結するため、ECサイトの出店先を選ぶ上で最も重視すべき要素の一つです。
表面的な初期費用だけでなく、月々のランニングコストと販売手数料が利益を圧迫しないかを、事前に厳しくシミュレーションすることが重要です。
特に鮮魚の場合、送料を含めたトータルコストを正確に把握し、費用対効果の高いプラットフォームを選択することが、安定した経営の基礎を築きます。
ランニングコストを把握する
ECの出店先を選ぶ際は、初期費用だけでなく、毎月かかる固定費(ランニングコスト)と、商品が売れたときに発生する販売手数料の3要素を必ず合算して検討します。
鮮魚ECでは冷凍・冷蔵に対応した送料が別途かかるため、販売手数料+送料を含めた実質利益率をシミュレーションし、費用対効果の高いプラットフォームを選ぶことが重要です。
顧客層と商品特性
ECサイトのプラットフォームごとに、利用しているお客さまの特徴や買い物の仕方には違いがあります。
自社で販売する鮮魚の種類(例:高級な贈答用、日常向けの加工品、産地直送の珍しい魚など)と、そのプラットフォームを利用するお客さまのタイプが合っているかを確認することが大切です。
ターゲットに合った場所を選べば、宣伝にかかる費用を抑えながら、購買意欲の高いお客さまに直接届けることができます。
ターゲットに合ったプラットフォームを選ぶ
ECサイトのプラットフォームにはそれぞれ特徴があり、利用しているお客さまの層や得意とする商品のタイプも異なります。
たとえば、特定の層に合わせしっかりとブランドを築きたい場合はより自由度の高い独自ECサイトが向いていますし、幅広い層に販売したい場合は大規模なモール型ECが有効です。
メルカリShopsのようにフリマアプリを日常的に利用するユーザーが多く、個人間取引に慣れている層がターゲットなら、「産地直送の珍しい魚」や「生産者のこだわりが伝わる商品」、「ここでしか買えないお得な商品」など、さまざまな商材と相性が良いでしょう。
プラットフォームの特徴と自社商品の特徴が合っているかを見極めることが、成功への近道となります。
集客と販売促進の機能
ECサイトを開設しただけでは、売上は立ちません。出店先が提供する集客機能と販売促進機能が、自社のプロモーション戦略を効果的に後押ししてくれるかが重要なチェックポイントです。
また、クーポン発行やセール機能の充実度、広告出稿も、新規顧客の獲得やリピーター育成に直結します。
これらの機能が無料で提供されているか、あるいは利用コストに見合う効果が見込めるかを判断することが必要です。
販売促進機能や広告機能の有無
ECサイトを開設しても、お客さまに見つけてもらえなければ売上にはつながりません。そのため、プラットフォームが提供する「集客」や「販売促進」の機能は、出店先を選ぶ際の重要なチェックポイントです。
具体的には、XやInstagramといった主要なSNSと連携できるか、プラットフォーム内で広告を出稿できる仕組みがあるか、さらにクーポン発行やポイント付与など販促機能が整っているか等を確認する必要があります。
また、モール型ECでは、プラットフォーム独自のイベントやセールにどの程度参加できるかも集客力に直結します。
これらの機能を積極的に活用すれば、競合との差別化を図りながら新規顧客を効率的に獲得し、リピーター育成にもつなげられます。
自社のプロモーション戦略に合った機能が、無料もしくは低コストで利用できるかを事前に確認しておくことも重要です。
運用の手軽さとサポート体制
EC事業を長く続けていくためには、日々の運用を効率的に進められるかどうかが鍵となります。特に鮮魚は在庫管理がシビアなため、管理画面が使いやすいか、外部の在庫管理システムとAPI連携できるかどうかは、業務負担を大きく左右します。
また、配送トラブルや鮮度に関する問い合わせなど予期せぬ事態が起きた際に、迅速かつ的確なサポートを受けられる体制があるかどうかも、安心して事業を継続するための重要な条件です。
初心者でも安心して利用できるか
ECサイトの運用では、商品登録や在庫管理、受発注管理、お客さま対応など、多くの業務が発生します。特にはじめてECに挑戦する法人や小規模な個人事業主にとっては、システムの使いやすさが事業継続の負担を軽減する大きな要素です。
管理画面が直感的に操作できるか、スマートフォンから利用できるか、外部システムと連携できるかといった点は事前に確認しておくと良いでしょう。
鮮魚類のEC販売・ネット展開に挑戦するならメルカリShopsがおすすめ!

鮮魚類をECで販売したいと考えている事業者・生産者の方にぜひおすすめしたいのが、フリマアプリ「メルカリ」の市場でネットショップを出店できるサービス、メルカリShopsです。
ここからは、メルカリShopsの魅力をいくつかピックアップしてわかりやすくお伝えしていきます。
月間約2,300万人がお買い物を楽しむフリマアプリ「メルカリ」の市場に出店・参入できる
メルカリShopsは、月間約2,300万人がお買い物を楽しむフリマアプリ「メルカリ」の市場に無料でネットショップを出店し鮮魚類を販売いただけます。
一般のお客さまは売上金でお買い物を楽しむことも可能!メルカリ内で商品を購買する意欲に繋がりやすい
フリマアプリ「メルカリ」を利用しているお客さまは、メルカリで不用品を売って得た売上金を、そのままメルカリShopsを含むメルカリ内での買い物に使えます。これがメルカリShopsで販売されている商品の購入の後押しになるため、新しいお客さまの開拓にもつながりやすい環境が整っています。
鮮魚類を含む食品・飲料・酒カテゴリーの流通総額は昨対比約1.25倍に成長!売れやすい環境が整っている
メルカリShopsは、鮮魚を含む食品・飲料・酒カテゴリーでも成長しています。
同カテゴリーの流通総額は前年比で約1.25倍(※2024年3月と2025年3月の月間売上比較)に拡大しており、人気カテゴリーBest3(※2024年3月1日〜2025年3月31日における累計売上実績)に入っています。多くのお客さまが食品購入に慣れ、鮮度や品質を信頼して魚をネットで買う文化が、フリマアプリ「メルカリ」内に根付きつつあることを示しています。
この成長は鮮魚事業者にとっても追い風であり、新規顧客を獲得しやすく、売上を確保できる環境が期待できます。
出店は無料!商品が売れるまで手数料の発生はなし
EC販売を始める際や新しい販路を開拓する際、初期投資や固定費の負担は大きな不安要素になります。
メルカリShopsでは、出店にかかる初期費用が無料で、月額の固定費も発生しません。費用がかかるのは商品が売れたときの売上金に対する販売手数料10%と売上金を口座へ移す際に発生する振込手数料200円/回のみで、売上が立たなければコストがかからない仕組みです。
このメルカリShopsの手数料の仕組みは、リスクを最小限に抑えたい法人や、まずは小さく始めて市場の反応を試したい個人事業主にとって大きな魅力となるでしょう。
海産物を販売する「甲羅組」様ほか鮮魚を取り扱う出店実績も多数
メルカリShopsは、すでに多くの法人や個人事業主に本格的なEC販路として活用され、数々の成功事例を生み出しています。鮮魚・海産物カテゴリーでは、カニやエビで知られる「甲羅組」様をはじめ、実績豊富な有名店や信頼性の高い事業者が数多く出店しています。
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売上を後押しする便利な販促サービスをオプション費用なしで活用できる
メルカリShopsでは、出店者の売上を後押しするためのさまざまな販促機能を無料で利用できます。(※広告出稿(一部の事業者へ開放)を除く)
例えば、クーポンを発行してリピート購入を促したり、タイムセール機能で旬の鮮魚を効果的にアピールしたりできます。
EC一元管理システムとAPI連携しているため販路拡大もスムーズに実現可能
メルカリShopsは主要なEC一元管理システムとAPI連携が可能です。この仕組みにより在庫情報や受発注情報を一括で処理できます。そのため、在庫管理や注文処理をスムーズに行え、複数のECサイトを運営する事業者でも二重管理の手間やミスを大幅に減らせます。
自慢の魚をECで全国に届けて更なる売上拡大を目指しましょう

鮮魚のEC販売市場は、購買行動の変化とデジタル技術の進化を背景に急成長しています。ECなら地理的な制約を超えて、全国や海外のお客さまに新鮮な魚を届けられる大きな機会があります。鮮度保持のための梱包・物流や集客といった課題もありますが、事前の準備と適切な戦略で対応できます。
成功のポイントは、明確なビジネスプランと法令遵守、そして信頼を得るための品質管理と情報発信です。さらに、自社のコストやターゲットに合った出店先を選ぶことも重要です。ECを活用し、ご自慢の鮮魚を全国へ届けて、着実な事業成長につなげていきましょう。



