個人事業主として本格的にビジネスへ取り組むなら、事業用のクレジットカードを保有するのがおすすめです。この記事では、個人事業主が事業用のクレジットカードを持つメリット・デメリット、成功しやすい選び方、よくあるQ&Aとおすすめカードをご紹介します。
個人事業主が事業用クレジットカードを持つメリット
個人事業主のお金にまつわる業務を効率化でき、ビジネスの力強い味方となってくれるアイテムが「事業用クレジットカード(別名:法人カード、ビジネスカード)」です。
個人事業主が事業用のクレジットカードを持つことには、大きく以下の5つのメリットがあります。
- 「プライベート支出」と「事業経費」の仕訳が簡単になる
- 1年間の締めくくりの「確定申告」も簡単になる
- 資金繰りに柔軟性を持たせられる
- (カードによっては)ポイント還元が受けられる
- 「保険」や「会計ツールの利用」などの優待が付属することもある
上記がひとつでも気になる場合、事業用のクレジットカードを保有する意義は十分です。早速、メリットを順番に確認していきましょう。
「プライベート支出」と「事業経費」の仕訳が簡単になる
事業用クレジットカードを保有する大きなメリットが、プライベート支出と事業経費の仕訳が簡単になることです。
個人事業主が経費を利用する際、対象の出費が、事業用かプライベート用かを明確にしなければいけません。曖昧なままでは税務調査で指摘されたり、本来は経費にできる出費を見逃したりと損をしやすくなります。
仕事関係の決済を事業用クレジットカードにまとめておけば、カードの利用明細を確認するだけで、経費になり得る支出を把握できます。
日々の帳簿類への記帳作業にかかる時間も節約できるでしょう。
1年間の締めくくりの「確定申告」も簡単になる
個人事業主は年に1度、通常2月〜3月に「確定申告」をしなければいけません。事業用のクレジットカードがあればこの作業も簡単になります。
確定申告とは、年間の収入(売上・経費・各種控除など)を自分で申告して納税を行う(あるいは還付を受ける)、個人事業主の1年間の締めくくりとなる作業です。
確定申告時には、経費とする支出の確認や証拠類の確保(例:領収書の保管)を行います。
事業用のクレジットカードがあれば、経費とすべき出費を簡単に把握できます。作業時間を短縮しつつ、記載漏れや証拠の保管漏れを減らすことが可能です。
資金繰りに柔軟性を持たせられる
事業用のクレジットカードは、個人事業主とは切っても切れない資金繰りに関して、柔軟性を持たせられる点でも優れています。
クレジットカードは現金と異なり、その場でお金を支払う必要がありません。決済の後、来月や再来月など少し時間を空けてから実際の支払いが行われます。
そのため、たとえば「手元にはお金がないが、翌月には入金予定がある」といった場合にも、焦ることなく必要な買い物を進められます。
(カードによっては)ポイント還元が受けられる
自分が申し込む事業用クレジットカードによっては、ポイント還元が受けられるケースもあります。
ポイント還元が用意されているクレジットカードは、買い物に利用すると現金よりもおトクです。たとえば、還元率1.0%のクレジットカードで年間50万円の買い物をすれば、5,000円相当のポイントが発生します。
事業用の出費はなかなか削減が難しく、また高額であることも多いもの。このようなポイント還元は、長い目で見れば侮れない節約になります。
「保険」や「会計ツールの利用」などの優待が付属することも
ポイント還元以外にも、事業用クレジットカードには各種保険や会計ツールの利用権といった優待が付属するケースもあります。
たとえば、サイバー攻撃による損害賠償の発生時に最大100万円まで補償してもらえたり、帳簿付けに便利な会計ツールが2年間無料で使用できたりなど、優待の内容はカードごとにさまざまです。
自分の事業形態に合わせた優待がある1枚を選ぶことで、事業用クレジットカードの恩恵はさらに大きなものになります。
個人事業主が事業用クレジットカードを持つデメリット
支出の明確化やポイント還元など事業用クレジットカードには多くのメリットがあります。個人事業主として真剣に取り組むのであれば、事業用クレジットカードを1枚保有しておくことをおすすめします。
一方で、事業用のクレジットカードの保有に当たっては以下のデメリットに注意が必要です。
- 保有カードが多い場合、審査で落とされるケースがある
- 年会費がかかることがある
- 分割払いやリボ払いができないケースもある
- 使い分けルールを明確にする必要がある
保有カードが多い場合、審査で落とされるケースがある
個人事業主の場合、当たり前ですがクレジットカードの審査は個人の信用情報に基づいて行われます。事業用以外にも保有しているカードが多い場合、支払い能力の観点から審査に落とされるケースもあるので注意しましょう。
年会費がかかることがある
事業用のクレジットカードには、年会費が設定されていることがあります。金額は数千円であったり、数万円を超えたり、カードによってさまざまです。
年会費のかかるクレジットカードの場合、得られる恩恵に見合った金額なのか検討しておきましょう。
検討が難しい場合、年会費が無料のカードに候補を絞って発行申し込みを行うのもひとつの手です。
分割払いやリボ払いができないケースがある
事業用のクレジットカードは一般的なカードと異なり、分割払いやリボ払いに対応していないケースがあります。
分割払いやリボ払いができないことは、手数料がかからないという点ではメリットにもなります。
しかし、このようなカードは支払いの柔軟性の観点では劣るため、申し込み前に確認しておきましょう。
使い分けルールを明確にする必要がある
事業用のクレジットカードは発行するだけでは意味がなく、明確な使い分けルールのもとに運用して初めて役に立ちます。
プライベートの支出に事業用のクレジットカードを使ったり、あるいは事業用の支出をプライベートのクレジットカードで払うなど、使い分けが曖昧では、真価を発揮できません。
事業用のクレジットカードを発行した後は利用ルールを定めて守りましょう。
個人事業主向けのクレジットカードの選び方&ポイント
ここでは、個人事業主向けのクレジットカードの選び方&ポイントをご紹介します。重要なのは、以下の3点です。
- 個人事業主の利用&申し込みができるカードを探す
- 初めてなら年会費無料のクレジットカードが安心
- 事業内容に関連する特典が用意されていると◎
個人事業主の利用&申し込みができるカードを探す
事業用クレジットカードにはそれぞれ発行条件(審査申し込み条件)があり、自分がその条件に該当するカードを選ぶ必要があります。
発行条件を無視して申し込むと、審査に通らないため要注意です。
具体的には「個人事業主OK」と明言されていたり、あるいは「18歳以上で国内在住の方」と会社員であることが求められていないようなクレジットカードを選択しましょう。
初めてなら年会費無料のクレジットカードが安心
初めて事業用のクレジットカードを持つ場合は、年会費無料のカードを選択するのがおすすめです。
前述の通り、クレジットカードによっては年会費がかかることがあり、金額によっては無視できない負担となります。一方で、年会費無料のクレジットカードであれば、保有していて負担がかかることはありません。
年会費無料のクレジットカードには「条件なしで常に年会費無料のカード」と「一定の金額を決済すれば年会費無料のカード(例:年間30万円以上決済が条件など)」があります。
後者を選択する際には、自分が無理なく条件分の金額を利用できそうか計算しておきましょう。
事業内容に関連する特典が用意されていると◎
個人事業主の場合、自分の事業内容や働き方に応じた特典があるクレジットカードを選べると、カードの魅力を最大限に引き出しやすくなります。以下は、事業内容と選択意図の一例です。
- 海外で商談をする機会もあり、傷害や盗難などの保険が充実したカードが良い
- 特定の通販サイトやフリマアプリで備品を買う際に、ポイント還元が優遇されるカードが良い
- ノマドワーカーであり、ワーキングスペースや宿泊施設をおトクに利用できるカードが良い
年会費との兼ね合いはありますが、ぜひ特典の充実した1枚を探してみてください。
個人事業主にもおすすめクレジットカードなら「メルカード」
事業用の備品をできるだけ安く揃えたいという願いは、大多数の個人事業主に共通したもの。フリマアプリ「メルカリ」でメルカードを活用すれば、おトクにその願いを叶えることができます。
メルカードは年会費永年無料のクレジットカード。株式会社メルペイが提供する、メルカリでの買い物時に最大4.0%(※)ものポイント還元を受けられます。メルカリ以外の利用では1.0%ポイント還元。詳しくは下記のガイドもご確認ください。
※1:メルカリでのお買い物の還元率は、メルカリやメルペイの利用実績に応じて変動します。また、メルカリ・メルカリストア・メルカリShopsでのお買い物によるポイント還元は、1ヶ月ごとに上限が設けられています(メルカリ・メルカリストア:P5,000、メルカリShops:P5,000)
なお、メルカードは他の事業用クレジットカードとは異なり、複数発行することができません。個人事業主としてメルカードを利用する場合、必ず個人的な利用と分けて使うようにしましょう。
メルカードは、「メルカリの利用実績等にもとづく独自の仕組み」により審査を行うクレジットカードです。その詳細や申し込み方法は、以下の記事をご確認ください。
個人事業主のクレジットカードに関するよくあるQ&A
最後に、個人事業主向けのクレジットカードに関するよくあるQ&Aをご紹介します。
審査申し込み時の「年収」はどの金額を記載すれば良い?
個人事業主の収入には「所得」や「売上」などさまざまな用語があり、会社員よりも年収がわかりにくいのが実情です。
個人事業主の年収の定義には諸説ありますが、一般的には年間の「売上―経費」の金額を税込み年収として記載します。
青色申告特別控除に関しては、引いた金額を年収とする意見と引く前の金額を年収とする意見があり、専門家の間でも見解は分かれています。
不安な場合は、申し込み先のカード会社に相談してみましょう。
年収証明は必須?
個人事業主のクレジットカード発行時に年収証明が必要かどうかは、申し込み先の審査基準によって変わります。年収証明が必須とは限りません。
個人事業主の場合、年収証明が求められた際には、確定申告書や青色申告決算書などを提出します。提出すべき書類はカード会社から別途指示があります。
勤め先情報には何を記載する?
発行申し込み時の勤め先情報の項目に何を記載すべきかは、こちらもカード会社ごとの基準によって変わります。
しかし一般的に、個人事業主の勤め先には会社名として「屋号」を記載します。
所在地は、事務所を借りていればその住所、自宅兼事務所であれば自宅の住所を記載する形が主流です。
事業用クレジットカードで個人ビジネスを成功させよう
この記事では個人事業主が事業用のクレジットカードを持つことについて、そのメリット&デメリットや選び方、よくあるQ&A、おすすめのカードをご紹介しました。
事業用のクレジットカードの保有には、プライベート費用と事業支出を明確に分けられるなどさまざまメリットがあります。
もし1枚も保有していないのであれば、ぜひ年会費永年無料のメルカードの発行をご検討ください。